平成29年の年頭にあたって
院長 田中 直見
新年明けましておめでとうございます。
1969年開設の当院は、お陰様で創立48周年を迎えました。鹿嶋市唯一の二次救急指定病院として地域の中核病院に発展して参りました。
脳神経外科は、2014年11月から常勤医師3名体制で診療を行い、年間約230件の 手術や年間約50件のt-PA療法を行い、数多くの患者様の診療を行って参りました。 受診患者数の増加に伴い、MRI検査の予約が困難になっておりましたので、昨年4月 からは3.0テスラの最新型MRIを導入し、撮影もスムーズに行えるようになりました。
循環器内科は2014年4月より2人体制となり、年間約200件の経皮的冠動脈ステント留置術や年間約300件の 心臓カテーテル検査を行う等、受診患者数も増加しています。昨年4月からは不整脈の専門医が入職し、不 整脈に対するアブレーション治療を開始しました。又、昨年9月から保険収載されました植え込み型心電計を 本邦第一例として当院で施行し、大変注目されています。
昨年1月から病棟での電子カルテが導入開始となり、今年の1月1日からは、外来でも電子カルテが導入され ました。導入当初は皆様方にご迷惑をお掛けするかもしれませんが、患者様の状態把握が容易となり、業務 がスムーズに運用できると確信しております。
その他、昨年4月から大きな病院は大部分移行しておりますDPC(診断群分類別包括評価支払い制度)へ の移行、昨年7月からは療養病棟を地域包括ケア病棟に改変しての運用開始、昨年11月には茨城県から 「女性が輝く優良企業」として表彰され、更なる医療の質向上に努めています。
当院がある鹿行地域は、10万人当たりの医師数88.6人(2012年度厚労省統計)と全国的にも極めて少ない ことをはじめ、医療を担う人材が不足していることが顕著な地域です。 このような厳しい状況ではありますが、4月から新たに常勤医師5名、看護師15名を招聘することとなりました。 常勤医師約50名、看護師約225名体制にはなりますが、イクボス養成や多様な勤務体制の確立など更なる 労働環境整備を行い、医師、看護師の増員確保に引き続き努め、医師、看護師、女性が働きやすい職場環 境を整備するとともに更に専門性の高い医療の提供を行って参ります。
特にがん領域においては、4月より国が指定する地域がん診療病院に認定される予定であり、腹部・胸部鏡 視下手術の推進及び緩和ケアの充実などがん医療への取り組みを更に強化して参ります。
昨年約2,900台の救急車の受け入れを行いましたが、鹿行二次医療圏は救急搬送までにかかる時間が長く、 鹿行地域外へ多くの救急患者が搬送されていることが課題です。本年は救急専門担当医師を配備するなど、 救急医療体制を強化し昨年以上の救急車を受け入れる体制を整備して参ります。
鹿行地域には日本有数の工業地帯があり、多くの方が従事しております。労働者の健康は、地域活性化には 必要不可欠です。予防医療の普及・啓蒙による健康寿命延長のため、産業医の養成や地域への派遣を 行う等の地域保健活動を推進して参ります。
小山記念病院は、地域の方々の満足度を追求し更なる質の向上に努めて参ります。本年も昨年同様に鹿行 地域の皆様から信頼され、鹿行地域に貢献できるように職員一丸となり努めて参ります。