臨床検査科紹介
臨床検査科は病気の早期発見や患者さんの治療経過を見るためなどに様々な検査を行っています。
生理機能検査とは様々な診断機器を使い、直接患者さんの体に接して検査情報を取り出し、解析・診断する検査です。
検体検査とは患者さんから採取した血液や尿、便などの体液を用いて調べる検査です。
スタッフ全員が常に患者さんの立場に立ち、最良な検査を提供できるよう日々、知識と技術の向上に努めています。患者さんによって検査内容が異なり、お待たせすることもあると思いますが、何かご不明な点がありましたらお気軽に声を掛けてください。
人員構成
検査技師数
20名(男性6名、女性14名 2024年4月末現在)
検査助手
2名
検査件数
検査項目 | 件数(2023年度実績) |
12誘導心電図(医科) | 16,184 |
12誘導心電図(健診) | 14,233 |
ホルター心電図 | 792 |
マスター階段負荷 | 20 |
脳波 | 114 |
血圧脈波 | 583 |
肺機能(医科) | 1,547 |
肺機能(健診) | 4,351 |
術中神経モニタリング | 36 |
心臓超音波 | 3,093 |
腹部超音波 | 2,188 |
頚動脈超音波 | 729 |
下肢静脈超音波 | 512 |
自動ABR | 368 |
新生児採血 | 369 |
術中迅速病理検査 | 70 |
検査項目 | 件数(2022年度実績) |
12誘導心電図(医科) | 14,956 |
12誘導心電図(健診) | 13,384 |
ホルター心電図 | 770 |
マスター階段負荷 | 57 |
脳波 | 99 |
血圧脈波 | 601 |
肺機能(医科) | 1,529 |
肺機能(健診) | 3,544 |
術中神経モニタリング | 33 |
心臓超音波 | 2,989 |
腹部超音波 | 2,118 |
頚動脈超音波 | 795 |
下肢静脈超音波 | 447 |
自動ABR | 394 |
新生児採血 | 396 |
術中迅速病理検査 | 64 |
検査項目 | 件数(2021年度実績) |
12誘導心電図(医科) | 14,579 |
12誘導心電図(健診) | 12,569 |
ホルター心電図 | 812 |
マスター階段負荷 | 48 |
脳波 | 117 |
血圧脈波 | 517 |
肺機能(医科) | 1,472 |
肺機能(健診) | 2,449 |
術中神経モニタリング | 54 |
心臓超音波 | 2,616 |
腹部超音波 | 2,121 |
頚動脈超音波 | 804 |
下肢静脈超音波 | 405 |
自動ABR | 432 |
新生児採血 | 435 |
術中迅速病理検査 | 95 |
取得資格・所属学会
取得資格
JHRS認定心電図専門士 | 5名 |
認定心電検査技師 | 2名 |
心電図検定1級 | 6名 |
心電図検定2級 | 3名 |
二級臨床検査士(呼吸生理) | 2名 |
二級臨床検査士(循環生理) | 1名 |
緊急臨床検査士 | 6名 |
細胞検査士 | 1名 |
超音波検査士(消化器) | 3名 |
超音波検査士(循環器) | 2名 |
特定化学物質・四アルキル鉛等作業主任者 | 3名 |
有機溶剤作業主任者 | 1名 |
精度管理責任者 | 2名 |
所属学会
- 日本臨床衛生検査技師会
- 日本超音波検査学会
- 日本不整脈心電学会
- 日本臨床神経生理学会
- 日本動脈硬化学会
- 日本輸血・細胞治療学会
- 茨城県臨床検査技師会
検査項目
脳波検査
検査内容・方法
大脳の活動状態を検査し、てんかんや脳障害などの評価をします。
脳の働きに問題があると、脳波が変化したり乱れたりします。
頭にベタベタとしたクリームをぬり、電極を装着します。仰向けになり、目を閉じてリラックスした状態で光刺激(カメラのフラッシュの様な光)を行ったり、息を大きく吸ったり吐いたりしながら、安静時の脳波を記録します。検査時に痛みを伴うことはありません。
検査時間
約40分~1時間ほどです。
検査時の準備・注意点
前日に洗髪し、検査当日は整髪料は付けないでください。
検査に時間がかかりますのでトイレは済ませておいてください。
検査中に気分が悪くなったら、無理をせずにおっしゃってください。
標準12誘導心電図検査
検査内容・方法
心拍数、不整脈の有無や種類、心臓の肥大や拡張、ペースメーカーの動き、投薬の効果、虚血性心疾患など様々なことを診断する心臓の最も基本的な検査です。(自律神経機能検査も行っております)
検査時間
約5分
検査時の準備・注意点
足首に電極を着けますので、靴下はすぐにおろせるものが良いです。
(ストッキング、タイツは脱いでいただきます)
お胸に電極を着けますので、上にまくれる服装が良いです。
24時間ホルター心電図
検査内容・方法
通常の心電図では数分の記録しか出来ず、測定時以外での変化がわかりません。
24時間心電図を記録することで動悸・めまいなどの症状時の波形や不整脈の頻度をみることができます。
検査時間
心電計装着 : 約10分
翌日はずし : 約5分
検査時の準備・注意点
装着中の生活は普段通りで結構です。ただし、入浴と電気毛布の使用はできません。
また、過激な運動は避けてください。
機械を落としたり、濡らしたりしないでください。
検査翌日も記録開始時間とほぼ同時刻に来院していただき機械をはずします。
マスター階段負荷検査
検査内容・方法
心臓に運動負荷をかけ、心電図変化を観察します。
安静時では検出しにくい不整脈や狭心症の変化を運動により誘発する検査です。
凸型の台を数分間昇り降りして頂いた後、ベッドに仰向けになり、10分程心電図を記録します。
検査時間
約20分
検査時の準備・注意点
運動しますので、動きやすい服装でお越しください。
素足で検査を行いますので運動靴は不要です。
運動中に胸痛や足が痛いなど辛い場合には無理をせずおっしゃってください。
エルゴメータ―負荷検査
検査内容・方法
心臓に運動負荷をかけ、血圧や心電図をモニタリングしながら心電図変化を観察します。
運動により、狭心症や不整脈を誘発する検査になります。
*循環器医師立ち会いのもとで検査をします。
胸に電極を着け、機械を装着します。同時に血圧計も腕に巻き、自転車のペダルを漕いでいただきます。
検査時間
準備から検査終了まで約45分
検査時の準備・注意点
運動靴を持参し、動きやすい服装でお越しください。
上半身は当院で準備した検査着に着替えていただきます。
運動中に胸痛や足が痛いなど辛い場合には無理をせずおっしゃってください。
肺機能検査
肺気量分画測定(VC)
努力性肺活量(FVC)
最大換気量(MVV)
気管支可逆性試験
検査内容・方法
COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支炎、気管支喘息などの呼吸器疾患や薬剤吸入による改善率や効果を評価しています。
口にフィルターをくわえて、鼻栓をします。
検査は立って行います。最大限に息を吸ったり吐いたり出来る量やどれだけ一気に強く吐き出せるかなどを調べます。患者様の努力が必要な検査となり、辛い検査となりますがご協力をお願いします。
検査時間
約10分(個人差があります)
検査時の準備・注意点
検査時に呼吸が苦しいなど症状が出た場合はすぐにおっしゃってください。
PWV/ABI(TBI)検査
検査内容・方法
PWVとは、心臓から押し出された血液により生じた拍動が、血管を通じて手や足に届く速度を見て、血管の硬さを表したものです。血管の硬さの指標として1400cm/s以下が標準値で血管が硬いほどその速度は速くなります。
ABIとは、足関節上腕血圧比のことで足と腕の血圧の比を測定し血管の狭窄の程度を見ています。血管の詰まり具合の指標として0.9~1.3が標準値です。
TBIとは、足趾上腕血圧比のことで糖尿病や透析患者さんにおける石灰化が進んでいる症例においてABIで測定できない場合も閉塞性病変の存在を測定できる可能性があります。
ベッドに仰向けになり、両腕と両足に血圧計を巻き、4か所同時に血圧測定を2回行います。
検査時間
準備から検査終了まで約10分~30分
検査時の準備・注意点
腕と足に血圧計を巻きますので上半身は薄着になり、靴下は脱いでいただきます。
測定中は動かずに楽にしていてください。
CPX(心肺運動負荷試験)
検査内容・方法
心臓に運動負荷をかけ、呼気中の酸素・二酸化炭素濃度や心電図、血圧をモニタリングしながら経過を観察します。運動耐容能(体力)を調べる検査になります。
*循環器医師立ち会いのもとで検査をします。
胸に電極を着け、専用のマスクを装着します。同時に血圧計も腕に巻き、自転車のペダルを漕いでいただきます。
検査時間
準備から検査終了まで約60分
検査時の準備・注意点
運動靴を持参し、動きやすい服装でお越しください。
上半身は当院で準備した検査着に着替えていただきます。
運動中に胸痛や足が痛いなど辛い場合には無理をせずおっしゃってください。
チーム医療
病棟採血
早朝、病棟にて入院患者さんの採血業務を実施しております。
病棟看護師が患者さんからの呼び出しなどにすぐ対応出来るよう、採血業務を担うことで手助けをしております。
術中神経モニタリング
脳神経外科・整形外科領域において、より安全に手術を行うために術中モニタリングを行っております。
手術中に脳神経を傷つけてしまうと、運動麻痺などの後遺症が生じる可能性があり、患者さんの機能的予後に重大な影響を及ぼしてしまいます。その予防として、運動機能・感覚機能・視機能・聴覚機能などをモニタリングしており、病態や手術目的に応じてサポートする重要な役割を果たしています。
術中迅速病理診断
悪性腫瘍の手術において、患者さんに適した術式を臨機応変に選択するため、迅速病理診断を他施設の病理医と連携し遠隔で行っております。
手術中に腫瘍が良性なのか悪性なのか確認を行ったり、悪性腫瘍の転移や取り残しがないかといったことを凍結切片を用いて病理組織学的に
診断する補助をしています。